赤池商店さんの お茶の香り

衣笠商店街の歴史のことで解らないことがあると、大通りに面したバス停のところにあるお茶と海苔のお店「赤池商店」さんへ聞きに行きます。
わからないことは、すぐに解決するのですが、昔(中世のころ)の衣笠界隈の考察や、坂道の名前など、赤池さんはいつも面白いお話をしてくださいます。
赤池商店 木製に金箔のりっぱな看板

赤池商店は、昭和13年、旧法塔十字路(※1)の近くに店をかまえました。
ですので、衣笠商店街ではとっても古くからあるお店です。

いちばん古いお店かしら?とうかがうと、
僕が小さいときの記憶だけれど、そのころ玉寿々さんもいらっしゃいましたよ。とのこと。

(※1)衣笠の十字路というと昔は法塔十字路のことでした。旧法塔十字路というのは、大通りより平作川の一本向こうの道にある、南無妙法蓮華経(お題目)が刻まれた石塔がある場所です。鎌倉時代からの地名の変せんも調べると面白いですよ

今日はこんな話をしてくださいました。

戦後、衣笠には映画館が3つ
今のツタヤがある場所に「白鳥座」という映画館があったんだよ
あと「ぎんせんざ」と「並木座」

当時、衣笠には映画館は3つありました。
そのころは日本の映画の全盛期、石原裕次郎や小林旭、片岡千恵蔵、市川右太衛門の時代劇などが流行っていたそうです。

そういうこともきっとこの本に書いてあるんじゃないかな。
別編民族を見る赤池さん

横須賀市から刊行されている「別編 民俗」(※2)を奥のお部屋から持ってきて見せてくれました。
「本のしおりに贈呈って書いてありますよ?」
「ああ 市の人がお話きかせてくださいって来てね、昔のことを話したんだ。そしたら、本を贈ってくれたよ。丁寧だね〜(笑)」
この本の中には赤池さんのお話が載っているようです。

別編民族

(※2)横須賀市の編さん事業(平成11年度〜平成26年度)で刊行された本の中の一冊です。本は全部で15冊。古代、中世、近世、文化遺産、考古、軍事、民族などなど。一冊一冊が分厚い本で、調べものをするとき「これ電子化にしてくれないかなー」とよく思います。

お茶のお香
お茶の香を焚いてくれました。
香ばしいよい香りが店内に広がります。茶会などでは、お茶の葉もお香に使うのだそうです。

そういえば、
店内には、茶筌(ちゃせん)などの抹茶の道具もあります。
ゆっくり店内をながめると、ほかにもさまざまな商品があります。

店内から大通りを眺める

かつお節
干ししいたけ(どんこ など)

走水のり
三浦半島の ひじき
北海道の昆布は数種類
がごめとろろ昆布

三浦半島で、その年に穫れる海産物を扱っています。
このところ横須賀のワカメも不作が続いていて、温暖化の影響なのかね。と心配されていました。

穫れるときには季節になると地元産の「はばのり」「あらめ」も店頭に並びます。

今はお茶も袋入りのほうが好まれるけど、
やっぱりお茶は量り売りじゃなきゃ。と言ってくれるお客さんもいますよ。

茶箱をすこし開けてくれました。青く新鮮なお茶の香りがしました。


赤池商店【お茶・海苔】
☎ 046-851-1740
定休日 木曜日
赤池商店お店の外観

赤池商店の包み紙
赤池さんの粋な包み紙。
お中元やお歳暮、ちょっとしたお土産にもオススメです。

※写真に写る価格や品物は、取材日 2017年4月18日現在のものです。