絵画教室 衣笠洋画研究所

衣笠商店街仲通り、洋食のRicoカウベルさんの隣の階段をあがっていくと油絵具のよい臭いがしてきます。

私の古典絵画興味は講師の田所一紘先生にテンペラを習ったのがきっかけ、いわば恩師です。
たまに教室に遊びに行っては、絵画にまつわるいろんな話をしてくれます。

今日も そんな絵画教室「衣笠洋画研究所」におじゃまし
デッサンってほんとにそんなに大切なの?というお話をうかがいました。

デッサンというのはね、「書くこと」じゃなくて「見ること」「観察すること」なんだよ。

モノをよーく見ると、そのモノの原理の法則を発見することができます。
そして感動して、その感動を表現するもの、それがデッサンなんですよ。

「バラは葉は螺旋状に、コスモスは十字…これは生物が生きるために構築していった形なんだね」

田所さんは紙にバラとコスモスの絵を描きながら、観察しなくては見過ごしてしまうあらゆる形の発見について話していきました。

これは圧巻!サラサラと描いていく手元の絵がどんどんバラになっていく、コスモスの絵はコスモスにしか見えなくなっていくんです。すごい!

じゃあね次に… 例えば、この一枚の白い板。これをデッサンするとしましょう。

え?白く塗られた小学生の背丈ほどのベニア板ですが…ただの白い板を?デッサン?

そう、これはね モチーフの背景として添える板、20年近くここで使われているものです。

角が丸く欠けてますよね。手あかの汚れが ここに集中してます。これはこの板をみんなが 片手でこう、ひょいっと持ち上げ運ぶからなのでしょう。
横に筋の傷ができています。きっと板を重ねたときにできる傷なのでしょう。

見えてきました!見えてきた!見えてくると描きたくなるね!

なんの変哲もないように見える ただの板ですが 長い年月をかけて出来た法則性が発見できます。そういう発見をして、感動があるわけですね。

デッサンというのは、小手先の作業ではなく 発見と感動の作業というわけです。

ふわぁぁぁ

そんなこんなで 私が長年疑問だった「デッサン」と「クロッキー」の違いについて聞いてみた。
ところで、裸婦のクロッキーとかって りょう線で表現するけど、サーササササッサーって早く描かなきゃいけないものなんですか?ってね

クロッキーで大切なことは早く描くことではないですよー

モノを観察すると、そこには大切な「線」が3つあります。
そのなかで いちばん大切なのは「中心線」。
“りょう線”は目に見えるけど、中心線は目に見えないね。それが一番大切な線なんだ。
目に見えないものほど大切なんだねー(笑)


夜の教室では、お仕事後に通う生徒さんが熱心に水彩画を仕上げていました。
絵を描きたいって思うことって面白い!

絵画教室「衣笠洋画研究所」は、衣笠商店街仲通り、Ricoカウベルさんの隣の階段をあがった3階にあります。

ホームページ: 絵画教室 衣笠洋画研究所 http://members3.jcom.home.ne.jp/kinuken/