博物館で三浦一族

横須賀市自然・人文博物館に、衣笠城のジオラマがあるよと教えてもらい行ってきました。

蓼原古墳出土埴輪 男子弾琴椅座全身像
蓼原古墳出土埴輪 男子弾琴椅座全身像

1階にある「人文」の展示室にあります。
人文の展示室は、三浦半島に人が住み着いたころから豪族「三浦一族」の時代までを体感する部屋です。

相模国封戸祖交易帳

「三浦」は昔は「御浦」だったんですね。735年、奈良時代のことです。

展示室に、大きいジオラマがありました。これが衣笠城です。

衣笠城 縮尺/1:500
衣笠城は、平安時代の末につくられた山城である。鎌倉時代になると、北条氏との対決にそなえて、さらに城を大きくした。今も山城の遺構がたいへんよくのこっている。

(ジオラマの説明)

「大善寺」が目印になるかな。たぶんこの道があの急坂で…
田畑いっぱいで、いい所だったんだろうなと、想像してぼんやりしてしまいます。

ジオラマって楽しいです。

絵の巻物も展示されていました。

平安時代後期の合戦の絵巻「後三年合戦絵詞」の一部とのこと。
かっこいい絵なので調べてみました。東京国立博物館の画像検索で見ることができます。

画像のリンク20220123.jpg

横須賀の博物館(横須賀市自然・人文博物館)といえば、入口にあるナウマンゾウがおなじみですが、ところで、ナウマンゾウっていったいどのくらい前に生きていた動物なんだろう?

こんなふうに、博物館って「なんか気になるぞ」って思って勉強したくなる場所なのかもしれません。それでまた再び博物館に来たくなります。

今日は、いつもは素通りしていたナウマンゾウの説明パネルもゆっくり読んでみましたよ。

横須賀市自然・人文博物館は、衣笠商店街から、横須賀駅行きのバスに乗り「文化会館前」下車、徒歩5分です。

衣笠十字路の地下道に交番があったという話(1)

「衣笠十字路の地下道に交番があった」と耳にします。
機会があるときに、お店の方にうかがったりします。
「あったような気がするね〜」
「雑貨屋があったんじゃなかったっけ?」等々…

2021年2月
地下道のことをSNSに投稿したところ、コメントをいただき、「交番があった」ことにほぼ間違いないことが分かりました。

みなさん、ありがとうございます!

snsのコメント

「ここ、40年位前交番じゃなかったっけ?」

snsの画像

「よく見たら、昔々交番だったとこだね。」

「交番があったのは間違いないですよ。〜略〜 交番が無くなってしばらくの間も、丸くて赤い電灯が設置されたままだったと思います」

<20201年2月10日(水)>

衣笠行政センター 観光課Sさんに相談したところ
(行政センターには、衣笠近郊の古い写真が保管されています。)調べていただいたところ、残念ながら、地下道の写真はありませんでした。
警察署か土木事務所に問い合わせるとわかるかも、とアドバイスをいただきました。

ありがとうございます!

神奈川県警察署 地域課に電話で問い合わせ、調べていただきました
記録としては、「昭和20年 衣笠駅前駐在所発足」、「老朽化のため取り壊し」とあり、取り壊しの日付は不明とのことです。
(以下は担当の方のご考察)「駐在所」と「派出所」は別のものなので、現在の衣笠駅前にある派出所(交番)と記録にある駐在所は別のものではないか、取り壊し時期は現駅前派出所の建て替え時期などにも関連があるのではないか、とのことでした。

ありがとうございます!


しらべものには増える宿題がつきものです。
図書館に昭和20年の地図を見に行かなきゃかも…
地下道が作られたのはいつなのかしら?(竣工の看板を確認しにいかなきゃ…)

(続きます)

毎月4日はお地蔵さんの日(2021年1月)

2021年1月4日(月)
JR衣笠駅前のお地蔵さまで、地蔵市がおこなわれました。

衣笠厄除地蔵市
衣笠厄除地蔵市


毎月4日におこなわれる厄除地蔵市は、お供物が参加されたみなさんに配られます。

1月・5月・9月は大祭で、お供物は和菓子です。衣笠商店街の和菓子屋、「いづみや」さんの地蔵まんじゅうと、「永治堂」さんの厄除祈願きんつば。日頃、お店では売られていない地蔵市だけの特別な和菓子です。

地蔵饅頭と地蔵きんつば

大祭の中でも1月は大明寺のお坊様お二人でのご祈祷もありがたく、ちょっと特別な気分になります。

衣笠厄除地蔵市

ご祈祷の後にお坊様からお話があります。(このお話が毎回いいんですよ ^_^)
今日は、「さきほど衣笠小学校に授業をしてきた」というお話。この衣笠厄除地蔵菩薩のことを衣笠小学校の3年生に教えてきたそうです。
お地蔵さんというのは、時代をこえて、地域を…みんなを! 包み込むように見守っていますよと。
お地蔵さまもちょっと照れ笑いされていたかもしれません。

大明寺のお坊様のお話
衣笠厄除地蔵尊
衣笠厄除地蔵のお守り
2021年の絵馬

お地蔵さまの広場には、絵馬を奉納する場所があります。
2021年の絵馬は丑(うし)。衣笠サービスセンターで購入できます。厄除地蔵尊のお守りもありますよ。

地蔵市

毎月4日 11時ごろ〜11時30分ごろ
場所は、JR衣笠駅前 衣笠厄除地蔵菩薩

衣笠厄除地蔵市 | 衣笠商店街

女性の武者はだれ? 三浦一党出陣武者行列

衣笠商店街を練り歩くパレード「三浦一党出陣武者行列」は、 2年に一回の春、4月下旬の日曜日におこなわれます。
令和2年(2020年)は残念ながら、新型コロナウイルス蔓延防止のため中止となりましたが…。

三浦大介義明を先頭に、20人以上の男性の武者と、武者姿の女性が4人。
町内会の人、商店街のお店の人が武者に扮します。

さて、
男の武者にはちゃんと名前がついています。しかもよくみると名字1つに氏名が2つ。いったい「三浦大介義明」って「三浦おおすけ」なの? 「三浦よしあき」なの? どっちなの?! ってなる。

「三浦大介義明」の「大介」は、仮名(けみょう)というそうです。仮名(けみょう)というのも調べてみると面白いのでぜひぜひ。

一方、女性の武者には、長い名前がついていない。
なんでー?
疑問に思って、衣笠の行政センターに行ってみました。

昭和41年 武者行列
昭和32年 武者行列

行政センターの1階には、衣笠観光協会の窓口があります。
壁には、衣笠地域の昔の写真が飾られていて、その中に「昭和32年の武者行列の写真」がありました。昭和32年といえば、1957年…、じいちゃんが子どものときだね! 衣笠商店街の武者行列は、ずいぶん以前からの催しだったのですね。

2階にあがると、武者行列で実際に使用する衣装がガラスケースに保管されていて、いつでも見ることができます。
毎年春になると、武者行列のない年も、商店街のお店やショーウインドウにこれらの武者の衣装が飾られるので、武者行列を見たことない人も、衣装は見たことがあるかと思います。

その中にある4つの女性の武者の衣装。

左から、

  • 小櫻姫(こざくらひめ)
  • 巴御前(ともえごぜん)
  • 花江(はなえ)
  • 浦浪(うらなみ)

とあります。

パネルには、各々の人物の簡単な説明がありました。
いずれの女性も、三浦一族に関わる記録、文書や伝説に登場する方々のようです。

巴御前(ともえごぜん)

「巴御前(ともえごぜん)」は、耳にしたことがある人も多いかも。伝説の女武者。
有名な女武者が三浦一族に関わり深かったかも…なのか…。ステキです!
説明のパネルには、「源平盛衰記・平家物語には、木曽義仲の妻であり。近江粟津の戦いにやぶれ、和田義盛(※)の妻となる。」と書いてありますが、だれの妻にもならなかった説もある、謎も多く、かっこいい強い女性です。

(※)和田義盛は、三浦義明の孫です。(大介の長男、杉本義宗の長男)

もうひとり、気になる女性の名前があります。

小櫻姫(こざくらひめ)

説明のパネルには、

「武州金沢城主 楽岩寺種久の姫で、義意との恋物語に出てくる姫。
三浦市の諸磯には、若宮神社の祭神なり。
城ヶ島の洞穴にも、守神としてまつられている。(三浦荒次郎義意の姫)」
と書いてあります。

なんのこっちゃ…ですが、

ちょこっと調べたら、意外とすぐに親近感がわきました。

小櫻姫の旦那さんは、三浦荒次郎義意(よしおき)です。
この荒次郎と父、道寸(三浦義同)が、三浦氏最後の当主。

これは、荒次郎とその父、道寸(三浦義同)の絵図です。

本のタイトルは「英雄百首」!
歴代大相撲力士名鑑みたいなものでしょうか…。

出展:国立国会図書館デジタルコレクション
「英雄百首」天保15 [1844]
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8929313
61コマ目

そして、

三浦半島を本拠に相模国最大の勢力を誇り、伊勢宗瑞(北条早雲)と死闘を繰り広げた名門・三浦氏最後の当主であった三浦道寸(義同)の政治史・戦乱史を詳解する1冊。動乱の関東を戦い抜き、和歌に通じた文化人でもあった勇将の生涯を鮮やかに活写する。

読みたいと思って買ったはいいが、とうとう読む機会が来ましたよ!

三浦道寸(中世武士選書36)真鍋淳哉著

そしてさらに…

あわせて読みたい!

浅野和三郎 小桜姫物語 霊界通信

これは、文頭の解説にあるよう、
「霊界通信――即ち霊媒の口を通じ或は手を通じて霊界居住者が現界の我々に寄せる通信」

初版は、1937年(昭和12年)
小櫻姫が霊界から、当時の生活の話、にっくき北条氏の話から、愛馬若月の話などなどなど、を「あれ? どっち?」と思うくらいの勢いで、生前と死後の垣根はちゃめちゃに話してくれています。

こちらは青空文庫で公開されています。

青空文庫 図書カード:No.4823 小桜姫物語 浅野 和三郎




小さい疑問から、ちょっと調べて、わわーと広がる底の見えない「三浦一族の歴史」を実感する一日となりました。


商店街でお会いした三雄堂書店さんに、「武者行列はそんなに昔からやっていたんですね。」とうかがったら、
「そうだねー。仲通りができる前だね。うちの店の事務の女性が「巴御前」だったかな、女の武者役になったのを覚えているよ」と教えてくれました。